心の病気とお薬の関係

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神経系の薬は、とりわけ一般の人にとって副作用が心配な薬のようです。

でもこころの病気や悩みを治すのは時にカウンセリングよりも薬がもっとも効果が期待できます。私が医者になって驚いたことの一つがこころの病気が薬で治ることを目の当たりにしたことです。

一般の人が心配な副作用ですが、医師の指示の元に飲めば怖い薬ではありません。確かにまれに眠気、ふらつき、口の渇きとか来ますが、風邪薬でも眠気は結構来ます。せっかく治るいい薬(とりわけうつ病、パニックなど)があるのですから使わない手はありません。

特に一部の精神病(とりわけ引きこもりタイプ)は放置するとどんどん悪くなり、取り返しのつかないことになりかねません。精神病でも治るいい時代です。医師は頼りになる存在のはずです。また、薬とカウンセリングの組み合わせがこころの治療にもっとも効果があるということが臨床的に確認されていますし、私の経験でもそれを実感しています。

当クリニックではカウンセリングを中心として院長は15分~20分程度(但し、精神分析は45分)心理カウンセラーによるカウンセリングは最低30分から)、薬との併用でかなりの成果を出しています。正しい知識で薬を飲みましょう。

また、当院では、副作用をほとんど心配しなくていい漢方を積極的に使っております。
(※当院は薬を最長、4週間分まで処方いたしております。

お薬を服用する際の注意点

  • 妊娠の恐れのある女性は原則、薬の服用はできません。
    どうしても服用をご希望されたい場合は、産婦人科にご相談ください。
  • お酒と一緒に薬を飲むことは原則できません。
    これは他の科でも原則同様です。
    薬の血中濃度を上げることがあるからです。特に睡眠薬と一緒にお酒を飲むのは避けてください。
  • 飲み合わせですが、古い降圧剤(カルビスケンなど)を除いて特に問題はありませんが、医師、薬剤師に随時ご相談ください。
  • 服用にあたっては医師の指示に従って服用してください。薬剤師だけの助言で服用しないでください。効かない時に、薬が効くまでといって増量する方がおられますが、よくありません。薬は最高量が大体きまっていますので、量は慎重にいきましょう。
  • 電話での相談は診療中はなかなか対応が難しいですが診療の合間に相談に応じます。
  • 薬を急に中断しないでください。もしも止めたい時は、医師の指示を仰いでください。
  • 車の運転は原則禁止です。慎重に行なってください。※漢方薬は眠気はほとんど気になりません。

漢方薬のご紹介

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最近慢性疾患が増え、漢方を用いる医院が増えています。その理由として、従来の西洋薬は限界があること、副作用が少ないこと、いわゆる不定愁訴が増えていること、漢方がかなり効果があることなどが認識されたことなどがあげられます。

漢方には、不定愁訴(めまい、だるさ、疲れやすさ、肩こり、手足の冷え、しびれなど)を始め各種疾患にかなり効果があります。ただし、西洋薬と異なるところは、証をしっかり把握しないとかえって悪いことがあることです。証を診るためには、視診(顔色、舌、皮膚の色、血管などをしっかり見る)、触診(特に脈)、腹部所見の把握(圧痛、触診等)など総合的に診察することが大切です。

なお、漢方の効き目は標的の症状を直接治すというより、体質を変える、抵抗力をつけるなど西洋薬と効果の発現がかなり違います。むしろ外堀から埋めていく方法でしょうか。時には、西洋薬と同時に使うと西洋薬を減らせる場合もあります。

漢方の専門医はまだ日本には少ないですが、徐々に増えてきています。各科に専門医はいますが、とりわけ心療内科、神経科にはかなりいます。不定愁訴を多く扱うからでしょうか。ところで、漢方の注意点は、すぐ効果は出ないこと(普通1,2ヶ月かかる)、一つ目で効果がなかったからといってすぐ漢方は効かないと早合点しないこと、時に併用療法(2,3種漢方薬を使う)が良いことなどです。症状によっては漢方は効果があります。不定愁訴に悩まされている方は一度専門医に相談してください。