無料相談に進む

新着情報

一覧を見る

2019/02/27

◆お知らせ◆

治験について 当院では抗うつ薬治療抵抗性のうつ病(20~64歳および65歳以上)の治験を行っております。興味のある方は当院までご連絡ください。詳細はこちら

2019/01/22

◆お知らせ◆

美根和典先生は平成30年11月よりブックスクリニック福岡で
診療を行うようになりました。
https://www.boocsclinic.com/fukuoka/index.html

2018/08/30

治験について

当院では児童思春期うつ病(9歳~17歳)の治験を行っております。
興味のある方は当院までご連絡ください。

うつ病セルフチエックに進む

2017/07/13

子供関係

2017年3月 6日 月曜日

不登校について

不登校について(再度)

 当院の外来に最近多いのは、うつ病、不安障害(パニック障害 他) に次いで、自律神経失調症、不登校、発達関連です。
今回は不登校について、再度述べます。
不登校とは単なる現象ではありますが、生徒のそれは誠に痛ましいもので、級友が毎日登校し、学校で元気に学び・運動し、休み時間には皆で楽しく遊んでいる状況で、家でほぼ一人で過ごすその疎外感は半端ではないでしょう(母親は、最近は多く外で働いておられますので、彼らは昼は一人です。昼夜逆転傾向、あるいはゲーム依存も多いです)。また、親の心配は大変なものでしょう。時には叱り、時には突き放し、時には途方に暮れる、そういう親御さんを数限りなく拝見してきました。
 残念なことに学校の協力はほとんど期待できません。その理由は、拙著「日本の問題点(仮題)」(近々出版予定)で詳しく述べていますが、
学校の無責任体制からきています。ほとんど放置です。転校先の相談でもあまり親身にはなってくれないようです。もし、いじめが不登校に絡み、結果生徒が自死した場合、学校に責任がたとえあっても、今まで学校側が責任を取らされたことはありません。これは、戦後の無責任体制からくる嘆かわしい現象の一つです。(第一、先の太平洋戦争の大敗戦の責任をいまだに誰も責任を取っていません。戦前、戦争をあおりにあおった大新聞三者の謝罪は未だにほとんど聞いたことはありません)
 ところで、不登校は、外国ではあるいは40年以上前の日本ではほとんどなかったものです。最初の論文は鷲見先生で(約40年前)、テーマは学校恐怖だったと記憶しています。
不登校の理由はさまざまです。多くは、級友からの虐め・からかい・暴力・恐喝まがい・万引きの強要・屈辱的な行為の強要、担任からの冷たい仕打ち(暴言も含む)、次には最近の不真面目なクラスの雰囲気への反応など多々あります。学校は、そのときの社会を色濃く反映しています。社会学的見方は末尾に述べています。
 さて、不登校をどうするか?
もし、何らかの精神疾患を発症していれば、医療の問題になり、薬物、心理療法、環境療法などが期待できるでしょう。
それ以外の心理的要因であれば、それぞれに応じた対応が求められますが、どれも簡単なものではないでしょう。
精神疾患には、精神遅滞、統合失調症、思春期うつ病、うつ状態、不安神経症(今は、身体化障害に診断名が変更)、恐怖、発達関連(自閉症、高知能自閉症、アスペルガー症候群、注意欠損多動障害、学習障害)、適応障害などです。
病気以外の要因には、多くはいわゆる虐め・暴力・からかいが最多です。最近のいじめは日本特有で、集団的、執拗さ、残酷さ、特に日本語による執拗なからかい・虐待が目立ちます。これは筆者の見解ですが、言葉によるそれは、もし、外国語であれば被害者側にそんなにこたえないと思います。これが、日本語でやられますと、最後は精神が破壊されます。それほど、日本語は怖いということでしょう。
 (参考 言霊思想、井澤)
  例:ばい菌、死ね、何で学校にきとるん、おまえには席はないぞ、   おまえは生きる資格ない、よう息しとるな、などなど。
大人はこれぐらいでなんで死ぬんだとよく言いますが、それは日本の若者の心理を知らない人の表層的意見です。言われる方は毎日のように、集団でいわれ続けるわけで、たまったものではありません。
一方、虐める側からみますと、世界一の偏差値・学歴社会で鬱屈した生徒たちの鬱憤のはけ口が虐めに向かっている節がありましょう。彼らは、何か面白いことを探しており、学友を虐めるという超面白い遊びを発見したと言えましょう。
 ところで、スウェーデンでは20年以上前に二人の生徒がいじめを理由に自死したのですが、その当時の文部大臣が非常に憤り、二度とスウェーデンからこのような悲劇を生まない、その対策を早急に作れと教育界に檄を飛ばし、その見事な対策はスウェーデン方式といわれる方法に結実し、その後、見事に自死を防いでいます。これは、外国でも取り入れられ、成果を挙げていますが、日本では残念ながら取り入れは不充分で、未だに自死が続いています。痛ましいことです。
 次には担任との軋轢(あつれき)ですが、担任にもさまざまな人がおられ、決して聖人君子ばかりではありません。サデイスチックな先生にあたって、しょっちゅうどなられ、あるいは理不尽な仕打ちにあっても、まずは我慢でしょう。誰も担任の理不尽な仕打ちに対応してくれる人はいないに等しいでしょうから、はい、はいと一見素直に応じ、我慢して、次の年に掛けるぐらいしかないでしょうか。医者は簡単に代えられますが、担任はそういうわけにはいきません。
 不登校の他の理由に、昨今の学級の雰囲気に嫌気がさして、というのが最近の特徴でしょうか。不真面目が横行する学級の雰囲気に真面目な生徒はもうやってられないと思うのでしょうか。これに関連して、最近のいじめの標的の多くは、真面目な子ども、勉強ができる子どもというのがありました。
 不真面目: 私語の多さ(これは日本の小学から大学までの特徴、先  生は注意すらしない)  、飛行機飛ばし、漫画読み、携帯、早弁、  離席などなど。アノミー現象という。マスコミもその不真面目な  態度をあおっている節がある。自由にいきろ。
 ある識者は、自分がもし今の学校に通っていたら、多分不登校しているだろうと述べ、昨今の不真面目で危険が一杯の学校を憂えていました。
勿論、体調不良というのも理由にあるでしょうが、多分に心身症がらみが多いようです。これは、ストレスから来る心身症の部分症状、不安・各種不満の身体化症状です。頭痛、腹痛、朝起きられないなどの症状に対応した治療が当然求められますが、症状の奥の原因らしきもの(無意識的なもの)にカウンセリング・プレイセラピー・絵画療法などを通して目を向け、うまく対応していく必要(共感、その他)がありましょう。
理由は以上がほとんどで、他にもありましょうが、割愛します。

さて、対応は???

 これが難しい。先述のように、精神疾患であれば、
薬物を始め(漢方も有効なことが多い)、心理療法他があります。
(統合失調症、うつ病、発達障害への薬物療法、その効果については 後日述べる予定です)

心理要因の場合は??
    名案はほとんどないに等しい??
 昔は小学校までなら、少々強引に親が引っ張ってでも登校させた方がいい、でしたが、最近はむやみな登校刺激はかえってよくないとなり、強引な方法はほとんど取られなくなりました。しかし、他の方法は、といってもないに等しいのです。下手するとずるずると不登校歴が長くなり、それが1年、2年、いや数年になることさえあります。本人、親の苦渋は察するにあまりあります。頼みの学校側はほとんどヘルプしてくれません。
他のサポートシステムもないに等しい。たまに、元教師、あるいは大学生らの主催するボランテア活動があり、不登校児の集まる部屋・スペースの提供(そこでは雑談、集団ゲーム、勉強など楽しく時間を過ごせる居場所)がなされている。
そういうたまり場所を提供されない子どもたちは、昼間ほとんど一人で過ごすことになりがちで、勉強は手につかず、自然、ゲーム三昧になりがち、夜は元気で(この理由として最近コルチゾールが夕方から夜間上昇する、が挙げられる)夜更かしし、結果日中は寝ている生活(昼夜逆転)が目立ちます。
これをどうするかは喫緊の課題です。でも、学校に戻る場合、朝きちんと起きられなくてはいけません。夜はなんとか10、11時までには寝て、朝は7時には一旦起きて欲しい、が親の望みでしょう。是非、そうするべきでしょう。それには、医師の力を借りる、時にはきちんと眠れる薬の服用が大事でしょう。夜、興奮するのであれば、精神安定剤、あるいは漢方(一般に子どもはそれの服用を嫌う傾向が強いが、最近はゼリーでうまく飲む方法も模索されています。薬局が助言してくれます)も役立ちます。彼らは、一般に交感神経が緊張していますので、リラクスゼーション(呼吸法、気功、ヨガなど)も大切です。
いずれにしろ、児童専門の医師とのコラボが必要となりましょう。
 
 勉強をどうするか?
 これは大きな問題です。不登校の子どもは勉強は大抵疎かになりがちです。意欲は大抵落ちています。しかし、小学生であれば中学校は大抵公立ですから、そう問題はないと言いたいところですが、不登校の子どもは中学校でも不登校に陥る確率は結構あり、心配なところです。
中学生であれば、高校受験が本人・親双方に大きなストレスとなります。中学校でも不登校が続くようなら、受験は厳しいものとなります。
福岡市の中学校では内申点がかなり大きな比重を占めますので、出席から来る内申点を期待しにくいという困った問題になります。
しかし、高校まで結果的に悩んでも、大学に入って、初めて自由な雰囲気で大いに勉強に励み、今までの分を取り戻すぐらいの迫力で乗り切って欲しいと思います。もはや、虐めなどのストレスからは縁を切れたはずでしょうから。
もし、意欲が戻らないのであれば、漢方が期待できましょう。参耆剤といわれる漢方が効きます(半夏厚朴湯、人参湯他)。

 ところで、不登校の子どもさんを多く見ていると、ある日突然、再登校する子どもも少なからずいます。希望を捨てずに、温かく子どもを見守っていきましょう。
とにかく、一番苦しんでいるのは子どもたちです。彼らの苦しみを大人が充分理解し、単なる気まぐれで不登校しているのではない事実を知って欲しいと切に思います。
不登校の真実とは??
    むずかしいですが、ある子が言ったように
      学校は墓場だ
              戦場だ
              超競争の場だ
などの言葉を理解するようにしましょう。
日本の学校の一部は非常に殺漠としたものに現在変化したようです。
権威なき学校社会です。自分以外に自分を守るものがない、お互いの自我がむき出しになった、無法の、非常に厳しい社会です。警察は介入してくれません。でも、外国ではそうではありません。かなしいことです。
案外、不登校する子どもは全うなのかもしれません。彼らを病理性と見ないで、何らかの純な心性の立場から見てあげると、彼らも浮かぶ瀬がありましょう。いずれにしろ、不登校は現代日本社会の困った部分の一縮図です。現在、不登校約20万人以上と言われる日本の学校です(引きこもりは100万人??)。本当は政治家が取り組まなくてはいけない重大な問題でしょう。学校だけに任せておけばいい時代ではないようです。
 今後は、公立・私立のこじんまりとしたフリースクールが公立学校の代わりに作られるべきでしょう(勿論、そこを卒業すれば卒業資格を与えるべきでしょう)。彼らの戻れる安心できる公立の学校はもはやないに等しいでしょうから。
                                           平成29年3月5日
                                           文責 脇元 安    

不登校について
 (主に小中学生)
  こどもの不登校はなかなか深刻である。理由は何であれ、まだ幼い彼らが、学校に行かず、行けず、一日中主に家にいて、大抵、テレビ、ゲーム、動画三昧に、昼夜逆転してふけっているのを見るのは、親として忍びない。1ヶ月を過ぎるともういけない。不登校は固定してしまう。
外国では、不登校の彼らは昼間、結構外に出てきて、大人と一緒に遊んだりしてしているという。
学校に行けないのなら、代案を作らなくてはいけないが、有料のフリースクールはあっても、無料の、あるいは医療保険のきくフリースクールは少ない。また、子どもがそこに行くかどうかも問題である。
エジソンは2週間しか学校に行かなかった、とうそぶいても現実には厳しい。長くなると、第一、学業の遅れが大いに気になる。しかし、大抵の子は学業にはあまり関心を示さない。
多くの親は、社会性の遅れ(人付き合い)を気にされているが、なに、それは高校、大学、専門学校で取り戻します。

ところで、英進館が小中学校用の教材ビデオを作製してくれたというが(月2万円程度?)、肝腎の子どもはそれに関心を示さないという。
部分登校・・・保健室登校、あるいはクラブだけは行く、というのは全く行かないよりかはよい。しかし、多くの子どもは部分登校すらしてくれない。塾だけは行く子は案外タフなのかもしれない。
なぜ、彼らは行かないのか?なぜ、日本はここ30年で世界一の不登校(公称20万人、実際はもっと多い)の国になったのか? 理由は様々だが、多いのは虐め・・・からかい、無視、意地悪、暴力、万引き強要、現金要求などである。それも、集団で執拗にやる。外国ではほぼ見られない、いじめによる自殺すら年に何件かある。彼らのことばによる暴力はときに芸術的である。
スウェーデンでは30年前、時の文部大臣がいじめ自殺を怒り、二度と悲劇を出さないシステムを作り上げ、そのスウェーデンシステムを輸出しているが、日本は取り入れていない。この国では、子どもの自殺の責任を誰も取る必要がないから、毎年、起こっている。なぜ、悲劇はつづくのか? 最大の理由は、学校が無責任だからである。
いじめの事実を地方公務員の彼らは非常に嫌う。うすうす気づいていても、それを見なかった事にする。それに先生が一所懸命に  対応しても、一円にもならない。彼らは金にならないことはしない。新人が一所懸命にやろうとすると先輩から待った、がかかるという。公務員体質だ、(これは警察はもっとひどい。ストーカー事件をみよ)

なぜ、日本のいじめは特有なのか? これはテレビの影響であろう。ドリフ、タケシ、つまらない漫才、バラエテー等々、おふざけ番組がそれを大いに助長し、今や学校には正義はなく、弱肉強食の世界と不真面目世界しかない。ジャングルである。従って、親は争って小中高校一環学校に子どもを送ろうとするが、子どもはのんびりしており、勉強しないから、そこにはなかなか行けない。

さて、不登校に陥ったら対策は??
皆無に等しい???
そもそも、その専門家は少ない。行政も及び腰で、予算は少ない。
ただし、いじめによる不登校でなければ、その原因をただそう。
いじめなら外国と真逆の、転校もやむを得ないかも。
山村留学、島への留学も可能性としてはある。

睡眠の問題・・・多くは昼夜逆転、睡眠リズムの乱れである。
それを睡眠センターで脳波を受け、診断を受け、いい薬(ロゼレムあたり)をもらおう。
普通の睡眠薬ではなかなか治らない。リズムの乱れを徐々にただすのがよい。
うつ病、うつ状態
これらがあれば、漢方が期待出来る。食事療法も最近盛んである。
それらをやってくれる病院・医院は少ないが、探して行ってみよう。
そもそも、この国には児童青年期の専門病院・クリニック専門医師、少なすぎー。
理由は? この業界は儲かりません!!!
OD(起立調整障害)  :フクロウ症候群ともいう朝弱いのはこれが原因かも。朝、血圧が上がりきらない。
昇圧剤を 飲みましょう。漢方もあります。集団恐怖、クラス恐怖:これもあります。いい薬があります。漢方もよい。
ただし、日本の子どもは問題なことに漢方を飲もうとしません。
 医者は頭がいたいです。工夫して飲ませるしかありません。
  
以上、述べましたが、とにかく、不登校の芽を潰すことです。一旦始まると.その後紛糾します。ただし、いじめに耐えて耐えてあの世に行く子も少ないですが、あり得ます。慎重に行きましょう。その子にあった対応策で行くしかありません。学校は正直当てになりません。
経験の充分ある、児童専門家を見つけましょう。子どもを叱ってはいけません。大きくなって、リベンジされかねません。
                   平成29年7月18日(火)
                   文責 脇元 安 
不登校について
 不登校の対策

①1ヶ月を超えないようにする
 長くなると行きしぶりになりがち。遅刻していってもいい。部分登校でもいい。クラスに入らなくてもいい、保健室登校でもい  い。
 行こうと思い、なるべく実行しよう。
 迷いながらも行きたい気持ちがあるときは、思い切って行ってみよう!!!!
②朝起きられない場合は:
 OD(起立性低血圧)かどうか小児科、内科、心療内科を受診して診断を受けよう。西洋薬、漢方どちらも有効。
 フクロウ症候群のチェック。昼夜逆転になっているとフクロウの疑いあり。夜元気で、寝るのが午前2,3時ではいけない。起きるの は正午ごろになり、夜はなかなか眠気が来なくなる。悪循環になってしまう。
 対策:夜10時には就寝。ぎりぎり11時。午前様にならない。
 ①夜8時までに活動的な行動をすませる。
 交感神経を動かすのは8時まで。運動、食事、テレビ、パソコン、携帯、スマホ、音楽、読書などは早くすませる。塾に行っ    ている人は帰りが下手すると10時。食事は帰ってから取らない。8時までにすませる。おにぎり、サンドウィツチなどお勧     め。
 ②8時過ぎからは:
 入浴、ストレッチ程度にする。お茶、コーヒーはNG.
 スマホ・パソコンは2時間前から厳禁。これがもっとも大切!!
 お風呂はややぬるい温度で10-15分程度。
 とにかく寝る前は静かに過ごす。
 音楽・・静かな曲程度。モーツアルト程度(ロックは避ける)
 本は温和しい内容で。刺激的な内容は避ける。     
 アロマ、お香程度はよい。
   
 ③10時~ 部屋は暗くする。どうしても光がいる人は10ルクス程度で。床に入るのは時間よりも眠気が来てから。眠気が来ない  うちに早めに床に入ると苦しい目に。どうしても眠気が来ないときは軽い眠剤にたよってよし。依存、中毒を恐れない。漢    方で眠れるときもある。医者に頼ろう。

 ④途中で起きたら?
 すぐ再入眠できないときは:軽い眠剤にたよってよい。
  
    充分眠れれば朝学校に行こうという気になるかも。登校再開には充分な睡眠!!!!
 とにかく、1ヶ月を超えないようにしよう。超えたら、部分登校・・・日にちも、時間も部分でよい・・・に挑戦しよう。
   
不登校が続くときは:
 転校やむを得ないときも。親と話し合ってみよう。   
   心機一転、うまくいく可能性もある。
 不登校には思春期うつ病その他の病気が絡んでいるときもある。心療内科で医師に診断を受けることが大切。あきらめないで   再登校に挑戦していこう。友人は待ってくれているはず。嫌みを言う人はいないはず。
          平成31年2月24日 文責 脇元 安

   

記事URL

2016年1月19日 火曜日

愛着障害

愛着障害(1)
 ボルビーが戦後まもなく言い出した愛着障害理論が最近、岡田先生の再紹介で見直されている。
    参考文献)
  岡田尊司 発達障害と呼ばないで  幻冬舎 2012年
  岡田尊司 愛着障害  幻冬舎    年
  岡田尊司 境界性パーソナリティ障害  幻冬舎  年
  岡田尊司 うつと気分障害   幻冬舎  年
ボルビーの提唱した愛着障害は、生後まもなく(1年以内)の母子関係が愛情豊かな関係でないと、後で種々の情緒障害を招く(感情を閉ざす、不安定な情緒など)というショッキングな説であり、戦後の、親がいない子どもの臨床研究(多くは施設の子どもたち)から提案された。代理母が充分な愛情を注げば、なんとかカバーできるが、施設の複数の世話係が交代で優しい世話をしても、母の代わりにはならないというものだった。別の学者の猿を使った実験、針金作りの人形母と布製の代理母では、後者の方が猿の赤ちゃんの心にいい影響を与えるというショッキングな報告もあった。恐るべし、母の力ではある。
愛着障害があると、大きくなって、二つのグループに分かれる。回避型と過敏型(振り回し行動、天の邪鬼な反応)である。
最近、発達障害、うつ状態、境界例、行動障害、非行などにこの愛着障害が大いに絡んでいると言い出したのが岡田先生である。彼は、優秀な精神科医であるが、愛着障害がベースにあると、大きくなって、上記の種々の精神障害に発展すると警鐘をならしている。
特に、発達障害は大いに愛着障害が絡んでいるらしい。彼は、発達障害は決して遺伝だけが関与しているわけではない、大人の対応が大切で、発達障害も防げる可能性があると言ってくれている。発達障害(自閉症は昔から)は遺伝性などど言われているが、怪しいものだ。決め手は特にないのに、何でも遺伝性と言っておけば、大人(特に学校)は免責されるからだろうからか、最近こういう言い回しが目立つ。自閉症、発達障害の診断に器械を使った診断法あるいは採血等を使って診断を受けている人はいないだろう。医師の飽くまで主観的な診断法で診断され、医師が異なれば、別の診断を下すことはよくある。騙されないことだ。遺伝となれば、対策がないと言うことだ。色盲に薬はありません。
発達障害その他の心の問題には後天的な要素が大いにあり得る。大人の努力を放棄しないようにしよう。ただし、最近話題の児童虐待は逆の面を教えてくれます。親になって、子どもを何らかの理由で愛せない親、特に母親が増えつつあります。彼らへのサポートは喫緊です(急ぎます)。続きは次回に。

                                                                                                      14.1.2016
                                                                                                        文責 脇元 安 

愛着障害(2)
岡田先生の説をさらに詳しく説明しよう。

彼のケースで発達障害を疑われた男子で注意障害、多動、衝動性などを備え、誰が見ても発達障害の子だったが、病歴を詳しく取ると、2歳で兄が亡くなったが、母は兄が今も生きているかのように振る舞い(兄の食事をいつもそろえるなど)、その子は、兄を思い出しては泣いている母を見て大きくなっていった。
母はうつだったのだが、彼は、母から充分な世話・愛情を受けられず、結果、脳の発達に悪影響が生じ、一見発達障害に似た症状を小学校に上がってから見せるようになったのだと紹介している。
岡田先生でも初診ではそこらを見抜けず、発達障害と診断していた。後で、独特の親子関係がわかり、診断を愛着障害と変更されたという。
このケースから、彼は、生育史上の問題は、これまでは単に心理学的な問題として扱われることが多かったが、実はそれにとどまらず、むしろ生物学的、生理学的なレベルで影響を及ぼしていることが、近年の研究で明らかとなってきたという。
 例:母のうつ病が、子どもの世話が不足することによって、脳内の受容体や神経繊維、シナプスの発達に影響し、脳自体の構造を左右しうるという。
母の子への関心不足、ネグレクト、不安定な環境が、子どもの脳の発達に生理学的なレベルで影響しうるということである。
彼は上の事例より、症状だけで診断をおこなうことの危険性を述べている。卓見である。
心は超複雑であり、症状だけで診断するというDSM分類は気をつけないということだろう。
心の問題はデジタルだけでは診断できない。アナログ思考で直感を研ぎ澄まして診断するという姿勢が大切であろう。患者さんの背景を知ることが大切である。
                                 18.1.2016
                                  文責 脇元 安
愛着障害(2)
愛着障害については別記した。
      岡田尊司 「愛着障害」より
幼児期・少年・少女期に愛着に深刻な障害を受けた者は、愛着を全く
求めようとしなくなったり、見境なく誰にでも愛着したりするようになる。
愛着障害には、反応性愛着障害(A抑制性愛着障害、B脱抑制性愛着障害の二種がある)、不安定型愛着障害がある。
A:ごく幼い養育放棄や虐待を受けたケースに見られやすい。
 愛着回避の重度なものではASD(自閉症スペクトラム)と見分けがつきにくいことがある。
B:不安定な養育者からの気まぐれな虐待や、養育者の交代により、愛着不安が強まったケースにみられやすい。多動や衝動性が目立ち、ADHD(注意欠損多 動障害)と診断されることもある。

不安定型愛着障害:実の親に育てられた子どもでも3分の1に不安定方愛着があるという。成人の3分の1にこれがあるという。これらの成人は対人関  係で困難を感じやすかったり、不安やうつなどの精神的な問題を抱えやすくなるという。
以上より、愛着の問題が非常に多くの人に関係する問題ということがわかる。

愛着障害の特性
 親と確執をもつか過度に従順になりやすい
 信頼や愛情が維持されにくい
 相手とほどよい距離をとれない
 傷つきやすく、ネガチブな反応を起こしやすい。
 ストレスに脆く、うつや心身症になりやすい
 非機能的な怒りにとらわれやすい
 過去にとらわれたり、過剰反応しやすい
 全か無か になりやすい
 全体より部分にとらわれやすい
 意地っ張りで、こだわりやすい
 発達の問題を生じやすい 発達障害と誤診されることも
 自分を活かすことが下手
 キャリアの積み方も場当たり的
 依存しやすく、過食や万引きも
 青年期につまずきやすい
 子育てに困難を抱えやすい
 アイデンテテイの問題をもちやすい。
 反社会的行動を起こしやすい
 性的な問題を抱えやすい
 
治療
  従来型の治療は役にたたない
   精神分析はよくない
   認知療法も良くない 
   従来型の治療がうまくいかない時は愛着障害を疑うべき。
1 安全基地を持つ
    安定した愛情の持ち主に出会い、その人から変わらぬ関心と支えを受け続けることが大切。
  ①安全感を保証する
  ②感受性 共感性
  ③応答性
  ④安定性
  ⑤何でも話せる
        家族、友人、恋人、パートナー、教師、宗教指導者、カウンセラー
        本人、ネットなどが安全基地になりうる。
2 愛着の傷を修復する
    幼いころの不足を取り戻す
    あそび
    傷ついた体験を語り尽くす

3 過去との和解
4 役割と責任を持つ
   社会的、職業的役割の重要性
   否定的認知を脱する。
   人を育てる
   アイデンテテイの獲得と自立
以上、治療を羅列したが、細かい説明は後日に。

                         平成29年11月18日
                         文責 脇元 安  
   

記事URL

2009年5月19日 火曜日

子どものこころの問題(5) @福岡天神の心療内科、脇元クリニック

子供のこころの問題(5) 不登校、いじめ問題、小児心身症を話しましたっけ。
 チック:これは心身症的なチックとツールレッツ症候群のチックに分かれます。後者は治療は難儀します。遺伝性の可能性もあります。あまりに落ち着かない場合は抗精神病薬が必要な場合もあります。漢方も時にはいいでしょう。一般のチックは一過性ですから、大人はそう心配する必要はありません。少量の精神安定剤、漢方も有効です。カウンセリングは12歳以では困難ですから遊技療法、時には箱庭療法で情緒の発散を図るといいでしょう。治りはいいのですから大人が神経質にならず、叱らない事が大切です。
               H21.5.19 脇元 安

記事URL

2009年5月19日 火曜日

子どものこころの問題(4) @福岡天神の心療内科、脇元クリニック

子供のこころの問題(4)
今回はこどもの心身症についてお話しします。子供は体もこころも発達途上にあり、人格はまだ未熟で不安定です。一部の子どもは些細なことでも反応して、体・こころ両方に影響を及ぼすことが稀ではありません。家庭・学校、塾、スポーツクラブなどでのストレスから身体症状が起こります。それを小児心身症と一般に呼んでいます。
内臓は特に問題ないのに、頭痛、腹痛、他の部位の痛み、チック、抜毛、癖などが起こります。小児科を受診するのですが、検査では大抵異常は見つかりません。学校がストレスになっている子は、よく登校前の朝、腹痛、頭痛を起こします。しかし、子どもは芝居をしているわけではありません。親は子どもを叱らないでストレス学の立場から慎重に見ていく必要があります。
家庭のストレスには、厳しすぎる親、学校での種々のストレス(学校の先生と合わない、友人との問題、いじめ、集団生活の不慣れ、ベースに障害を持ち適応できないなど)、塾でのストレス、習い事でのストレス、スポーツクラブでのストレスなど様々です。
心身症はまず正しい診断が大事です。治療ですが、薬が有効と思われるときは(頭痛、腹痛、じんま疹、下痢)使います。気分不安定な子どもには安定剤、漢方もいいでしょう。カウンセリングは12歳以下では難しいので遊技療法を利用するといいでしょう。環境調整も大事です。きめの細かい接近が大切です。むやみに叱りとばすのはいけません。
                     H21.5.19  脇元 安

記事URL

2009年2月 9日 月曜日

子どものこころの問題(3) @福岡天神の心療内科、脇元クリニック

子どものこころの問題(3)
最近のこどもは変わりましたね。世の中が変わった訳ですから当然といえば当然ですけど。さびしい気もします。(1)では、「子供の誕生」を述べたミッチャーリヒの話をしたはずですが。昔は子供はすぐ大人になって働いていたのですから、産業社会が発展して学校が義務教育化してから「こども」は誕生したという話です。世の中の仕組みが大いに変わり、体だけでは働けなくなった訳です。頭脳労働の誕生です。
義務教育どころか最近は大学の進学が30%を超えたのではないでしょうか。思春期、青年期の延長も最近話題になっています。モラトリアムは話題になりました。エリクソンの提案でした。彼自身がモラトリアム経験者です。自然に大人になる時代はとっくに終わり、学習が必要になったわけです。
学校は大いに変わりました。先生はもはや尊敬されなくなりました。権威がなくなり(引きずりおろされ?)、いじめは常態化しています。この国では、誰もそれを止められません。北欧その他の国と違います。大人は見て見ぬふりです。責任はどこかへ行ってしまいました。
無責任体制の国ではあります。しかし、一方では飲酒運転は取り締まります。相手が弱い庶民だと警察は頑張って取り締まります。ストーカー、暴力、会社でのいじめには見て見ぬふりです。
 不登校は学生の1,2%を占めるでしょうがその原因のすくなからずはいじめが原因でしょう。テレビの真似をして、昔ならよほどのことがない限り言わなかった台詞が飛び交っています。タレントの責任、特にお笑い系の芸人は責任が重いです。死ね、死刑、黴菌(ばいきん)、悪魔、生きる存在価値がない、汚い、きもいなどなど平気で今の子供は言います。反発できない子供が犠牲者です。外国では苛められるとさすがに反発します。中国ではダイナマイトを抱いていじめの相手と心中、アメリカはさすがに銃です。父親の銃で相手を殺しています。自殺はきわめて稀です。日本の子どもは滅多に反発しません。反発したら倍返しを食らうと言うことがよくわかっているようです。
日本のこどもの世界に法律はありません。大人の世界なら一部は法律が守ってくれますが(パワーハラスメント)、この国では子供の世界は無法社会です。先に苛めた方が勝ちです。誰も守ってくれません。以前と違って先生は守ってくれません。却っていじめを隠す傾向にあります。
不登校する子は自殺するよりはましという識者もいますが、さびしい国です。
いじめ対策にはこの国では名案はないでしょう。退学、転校(外国では苛めた本人が転校を命じられます。)ぐらいしかありません。本当に情けないです。権威が既になく、弱い者を守るというルール等がなくなりました。私学が流行るはずです。
大人の国では既になくなりました。誰が大人の国に戻してくれるのでしょうか。おにゃんこクラブの国ではあります。未熟者がいいのですね。成熟者を嫌います。かわいい、の国です。
歌が上手になったら流行らなくなった歌手がいましたね。
不登校になる子供はナイーブです。繊細です。しっかり保護してあげなくてはいけません。怠け病ではありません。叱っても大抵、逆効果でしょう。ただし、家に引きこもってしまうと、昼夜逆転、テレビ、パソコン浸りになりがちで、これも問題です。時にはカウンセリングが効果ある時があります。母親カウンセリングも時に有効です。時間はかかりますが、1,2年遅れで追いつきます。辛抱強く気長にいきましょう。
今回は不登校で終わりました。次回以降は心身症、神経症(不安障害、強迫障害)、過食、拒食、ゲーム中毒等について述べます。
             H21.2.9 脇元 安  改訂 5.19

記事URL