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2017/11/18

◆お知らせ◆

12月16日(土)より毎月第3土曜日は16時までの
診療となります。
14時からは特に初めての方を中心に診療を行いますので
ご利用ください。

2017/07/13
2017/03/25

◆お知らせ◆
平成29年5月第2週より

毎週 木曜日午前(10時~13時)
児童専門外来を開設いたします。
不登校、発達関連、引きこもり、不安障害、チック等の相談に応じます。

同日 午後14時半~18時
新患および再来(児童から大人)の診察、精神衛生相談(本人以外のご家族からのご相談)を行います。

当院は予約制ですので電話で予約してご来院ください。
☏092-751-0010

ドクタ-美根の過敏性腸症候群治療教室

2018年2月 7日 水曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室

心因性嘔吐症、神経性嘔吐症 その2:ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根和典:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
2018年2月7日水曜日
第28回(心因性嘔吐症、神経性嘔吐症 その2)
心因性(神経性)嘔吐はどのようなメカニズムで起こるのでしょうか?
脳の中脳という部分にある嘔吐中枢がいくつかの経路をとおして刺激されることで、嘔吐や吐き気症状が出現します。感情刺激や学習された記憶が直接、脳の嘔吐中枢を刺激する経路があります。また、不安、抑うつなどの感情やストレスが消化管の機能異常を引き起こし、そのことが自律神経を介して嘔吐中枢を刺激して嘔吐や吐き気を生じさせるという経路もあります。多くの場合、この両者が関係しています。
とても嫌いな人に会う、嫌な状況に遭遇する時に、日本語では「吐き気を催す」「ムカつく」としばしば吐き気という身体反応を用いて、強い不快感、嫌悪感などがストレートに表現されます。これはほとんどの人において「吐き気」という身体症状とネガティブな感情が強く関連していることを示しています。
また条件反射も大きく関与しています。吐き気は条件反射が形成されやすい症状の一つです。「吐き気」という身体症状は、特定の不快な場面や状況ととても結びつきやすく、その場面を思い浮かべることや、その場面に直面することで吐き気、嘔吐が出現します。
心因性嘔吐と診断した方を診察すると、胆道系機能異常と同じような胆道部の圧痛、叩打痛を認める場合がしばしばあります。このような場合は、ストレスや心理的疲労が胆道系機能異常を引き起こし、そのことが嘔吐を介して症状を引き起こします。
このようなメカニズムを考慮して工夫をして心因性嘔吐の治療を行います。
少し時間はかかりますが丁寧な心療内科的治療で、症状が改善し生活上の支障もなくなる方はかなり多くおられます。
(文責:美根 和典)
(参考:内科領域、消化器病学という専門領域においては意外なほど、心因性嘔吐症という概念はいまだ確立していません。消化管機能異常の国際的な分類では機能性嘔吐症の中に入りますが、その原因としてのストレスや心理的因子の関与についてはまだ議論中であるという扱いになっているのが現実です。)

投稿者 脇元クリニック | 記事URL

2018年1月11日 木曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室

心因性嘔吐、神経性嘔吐:ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根和典:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
2018年1月11日水曜日
第27回【心因性嘔吐、神経性嘔吐】
過敏性腸症候群と同じように、消化管機能異常によって起こると考えられる心因性嘔吐(神経性嘔吐)についてお話しします。
内視鏡検査をしても食道、胃、十二指腸に特に異常はなく、また他の内臓の異常がないにもかかわらず、吐き気、嘔吐をしばしば生じて生活に支障をきたすようになっている場合、消化管機能異常の一つとして分類されている機能性嘔吐症と診断します。
機能性嘔吐のかなりの例で、不安・緊張、抑うつなどの情動やそれを引き起こすストレスがその発症に強く関与しています。それで機能性嘔吐症のことを心療内科、心身医学の分野では早くから、心因性嘔吐または神経性嘔吐と呼んで診断、治療がなされてきました。近年しばしば耳にする、いわゆる"嘔吐恐怖"といわれているものの大多数は心因性嘔吐に含めてもいいのではないかと思います。その多くの方において、「外出したら吐くのではないか?」、「乗り物に乗ったら吐くのではないか?」、「人ごみの中で吐いてしまうのではないか?」という不安がとても強くなり外出そのものも困難になっています。特に「外食をすると吐くのではないか?」という不安が強く、人と食事をする約束ができないという方が多くいます。ストレス状況、不安が強い状態、心身が疲労している状況で吐き気が続く人もいます。多くの場合は不安、緊張が関係していますが精神的な疲労状態、気分の落ち込みと関連して吐く人もかなりいます。
過敏性腸症候群ほど頻度は高くありませんが、心因性嘔吐(神経性嘔吐)で苦しんでいる方は少なからずいます。そしてそのために社会生活に大きな支障をきたしている場合がしばしばあります。吐き気、嘔吐症状を訴えて内科や消化器科を受診しますがX線検査や内視鏡検査では異常を認めず、ほとんどの場合積極的な治療には至りません。また一般的な吐き気止めや胃薬をのんでも多くの場合、著明な効果はありません。
次回は心因性嘔吐、神経性嘔吐が起こるメカニズムについてお話しします。(文責 美根 和典)

投稿者 脇元クリニック | 記事URL

2017年7月26日 水曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室

コレバインと過敏性腸症候群治療 最近の話題:ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根和典:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
2017年7月26日水曜日
第26回【コレバインと過敏性腸症候群治療 最近の話題】
過敏性腸症候群下痢型の人たちにおいて、その多くで"胆汁による大腸粘膜刺激"が下痢症状と関係していることが分かってきました。
"胆汁性下痢"という考え方があります。胆汁は十二指腸に分泌されて脂肪の消化を助ける働きをしますが、そのほとんどは小腸で再び吸収されてしまいます。しかし胆石症などで胆のうを切除したあとや、何らかの病気で小腸の一部を切除したあとにはしばしば胆汁が大腸まで流れ込み、大腸粘膜を刺激して下痢を起こします。このような機序で起こる下痢を"胆汁性下痢"と呼んでいます。しかしながら、このような手術を受けておらず、また特に腸管の病変がない場合でも胆汁刺激による下痢が起こる場合があるということが、かなり分かってきました。ある特殊な方法を用いて調べると過敏性腸症候群下痢型とされている人たちのかなり多くで、「胆汁刺激がその下痢症状の発現に関係している」という研究結果が、これまでしばしば報告されています。逆にいえば、「過敏性腸症候群下痢型の発症機序のひとつとして胆汁の関与がある」ということが分かってきたわけです。
過敏性腸症候群の一人一人について特殊な検査を行って胆汁刺激が関与した下痢であることを確認することは現実的に不可能です。また臨床症状から胆汁性下痢と判断することも極めて困難なことです。
このような理由から、米国では過敏性腸症候群の下痢症状のコントロールのために、特殊な検査を行わないまま、最初から胆汁性下痢の治療薬を試みることが提唱され、"胆汁性下痢の治療薬"が過敏性腸症候群の治療薬としても認められています。
現在、日本では高コレステロール血症の治療に使われているコレバイン【→商品名】(正式にはコレスチラミン)は胆汁(正確には胆汁酸)を腸管内で吸収する作用があるので胆汁性下痢の治療に用いられます。過敏性腸症候群の下痢症状コントロールのために服用した場合、研究報告によってかなり異なりますが、およそ50%前後の人においてに下痢を改善する効果が認められるようです。
ちなみに私たちがよく参考にするハリソン内科書という米国の内科学教科書のもっとも新しい版においても、過敏性腸症候群の項に、その重要な治療薬のひとつとしてコレスチラミンが記載されています。
ただし日本人の過敏性腸症候群治療におけるコレバインの服用量や服用法については、あらためて多少の検討が必要となるでしょう(文責 美根和典)

投稿者 脇元クリニック | 記事URL

2017年6月15日 木曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室

自律神経系、チームプレーの異常としての過敏性腸症候群と機能性胃腸症:ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根和典:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
2017年6月15日木曜日
第25回
【自律神経系、チームプレーの異常としての過敏性腸症候群と機能性胃腸症】
人は食べ物を巧妙な仕組みで消化分解して、生きるために必要なすべてのエネルギー源と栄養素を吸収して体内に取り込みます。この役割を担うのが消化器です。食道、胃~大腸の消化管、そして膵臓、肝臓など消化液を分泌する臓器から成り立っています。これらの消化管と臓器が連携を取りながら消化吸収を行います。そしてそれぞれの働きは自律神経系(交感神経と副交感神経)にコントロールされています。自律神経系は脳で制御されています。また消化管と臓器の連携を保つために消化管ホルモンが分泌されて働いています。このようなメカニズムを駆使して胃、食道、胆のう、膵臓、小腸、大腸は緊密な連携プレーを行いながら消化吸収をより滑らかに迅速に行います。ストレスや心の疲労は脳、自律神経系を介して、消化吸収という重要な働きを狂わせます。脳の感情をコントロールする部位と内臓をコントロールする部位はほぼ同じところ(視床下部などの自律神経中枢)です。脳で受け止められたストレスは自律神経を介して食道、胃、十二指腸、胆のう、膵臓などの機能異常をひき起こします。そしてさらに臓器と消化管の連携もうまくいかなくなります。胃の機能異常とされる機能性胃腸症と小腸・大腸の機能異常とされる過敏性腸症候群においてはこの消化器系全体におけるチームプレーもうまくいかなくなります。このようなことから機能性胃腸症と過敏性腸症候群とが合併しやすいのは、当然のことだと言えるでしょう。
消化管機能異常としては他に食道運動機能異常(びまん性食道けいれん、非心臓性胸痛)などもありますが、また別の機会にお話ししたいと思います。
                                                (文責 美根 和典)

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2017年3月22日 水曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室

機能性ディスペシア(機能性胃腸炎)について その3 参考:胆のう機能異常(胆道ジスキネジー):ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
2017年3月22日水曜日
第24回
【機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)について その3  参考:胆のう機能異常(胆道ジスキネジー)】
機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)は"胃、十二指腸の何らかの機能異常にもとづいて発現する上腹部症状を呈するもの"と国際的な分類では約束(定義)されています。
一方、上腹部痛の原因として胆のうと胆管(あわせて胆道といいます)の機能異常が原因となって胃付近の痛みが生じることがしばしばあります。これを胃の機能異常とは異なるものとして、胆のう機能異常(胆道ジスキネジー)と呼びます。
参考までに胆のう機能異常(胆道ジスキネジー)についても簡単にお話ししたいと思います。このような方の腹部を診察すると、みぞおち(心窩部といいます)の少し右寄りの部位に強い圧痛(押したときの痛み)や叩打痛(叩いたときの痛み)をしばしば認めます。その圧痛の部位はおおむね胆のうに一致し、みぞおちの痛みは胆のうから発生しているのではないかと考えられる場合が多くあります。あたかも胆石発作のような痛みです。しかしながら腹部超音波検査などで、胆のうに胆石や胆のう炎などの病変がないことはすぐに明らかにできます。このような場合、私たちは、胆のう機能異常(胆道ジスキネジ-)と診断してきました。
私の臨床経験からは、胃の付近に激痛が起こる場合は、胃機能異常よりも胆のう機能異常にもとづく場合の方が多いのではないかと感じています。丁寧な診察をすることで胆のう由来の痛みであると判断することは可能なのですが、胆のうの機能が異常であることを客観的に証明するのは意外に困難なものです。
 胆のうの機能異常で激しい胃部の痛みが起こることがあるということを知っておくのはとても重要なことです。そしてこの異常が生じる大きな原因として精神的疲労、心理的ストレスが大きな役割を果たします。治療としてはストレス状況への適切な対処、胆のうの運動異常を改善する薬投与、抗うつ薬を用いて心理的疲労を癒すことなどにより多くの場合痛みはかなり改善します。
(胆のう機能異常によると思われる痛みに対して、内視鏡的に胆のうを切除するといういささか乱暴な治療が世界的にもしばしば行われてきました。この胆のうを切り取るという治療法の効果については、最近はかなり疑問視されています。)
(文責 美根 和典)

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