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2018/08/30

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2017/07/13
2017/03/10

ドクタ-美根の過敏性腸症候群治療教室

2017年7月26日 水曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室

コレバインと過敏性腸症候群治療 最近の話題:ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根和典:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
2017年7月26日水曜日
第26回【コレバインと過敏性腸症候群治療 最近の話題】
過敏性腸症候群下痢型の人たちにおいて、その多くで"胆汁による大腸粘膜刺激"が下痢症状と関係していることが分かってきました。
"胆汁性下痢"という考え方があります。胆汁は十二指腸に分泌されて脂肪の消化を助ける働きをしますが、そのほとんどは小腸で再び吸収されてしまいます。しかし胆石症などで胆のうを切除したあとや、何らかの病気で小腸の一部を切除したあとにはしばしば胆汁が大腸まで流れ込み、大腸粘膜を刺激して下痢を起こします。このような機序で起こる下痢を"胆汁性下痢"と呼んでいます。しかしながら、このような手術を受けておらず、また特に腸管の病変がない場合でも胆汁刺激による下痢が起こる場合があるということが、かなり分かってきました。ある特殊な方法を用いて調べると過敏性腸症候群下痢型とされている人たちのかなり多くで、「胆汁刺激がその下痢症状の発現に関係している」という研究結果が、これまでしばしば報告されています。逆にいえば、「過敏性腸症候群下痢型の発症機序のひとつとして胆汁の関与がある」ということが分かってきたわけです。
過敏性腸症候群の一人一人について特殊な検査を行って胆汁刺激が関与した下痢であることを確認することは現実的に不可能です。また臨床症状から胆汁性下痢と判断することも極めて困難なことです。
このような理由から、米国では過敏性腸症候群の下痢症状のコントロールのために、特殊な検査を行わないまま、最初から胆汁性下痢の治療薬を試みることが提唱され、"胆汁性下痢の治療薬"が過敏性腸症候群の治療薬としても認められています。
現在、日本では高コレステロール血症の治療に使われているコレバイン【→商品名】(正式にはコレスチラミン)は胆汁(正確には胆汁酸)を腸管内で吸収する作用があるので胆汁性下痢の治療に用いられます。過敏性腸症候群の下痢症状コントロールのために服用した場合、研究報告によってかなり異なりますが、およそ50%前後の人においてに下痢を改善する効果が認められるようです。
ちなみに私たちがよく参考にするハリソン内科書という米国の内科学教科書のもっとも新しい版においても、過敏性腸症候群の項に、その重要な治療薬のひとつとしてコレスチラミンが記載されています。
ただし日本人の過敏性腸症候群治療におけるコレバインの服用量や服用法については、あらためて多少の検討が必要となるでしょう(文責 美根和典)

投稿者 脇元クリニック