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2017/07/13

子供関係

2016年1月19日 火曜日

愛着障害

愛着障害(1)
 ボルビーが戦後まもなく言い出した愛着障害理論が最近、岡田先生の再紹介で見直されている。
    参考文献)
  岡田尊司 発達障害と呼ばないで  幻冬舎 2012年
  岡田尊司 愛着障害  幻冬舎    年
  岡田尊司 境界性パーソナリティ障害  幻冬舎  年
  岡田尊司 うつと気分障害   幻冬舎  年
ボルビーの提唱した愛着障害は、生後まもなく(1年以内)の母子関係が愛情豊かな関係でないと、後で種々の情緒障害を招く(感情を閉ざす、不安定な情緒など)というショッキングな説であり、戦後の、親がいない子どもの臨床研究(多くは施設の子どもたち)から提案された。代理母が充分な愛情を注げば、なんとかカバーできるが、施設の複数の世話係が交代で優しい世話をしても、母の代わりにはならないというものだった。別の学者の猿を使った実験、針金作りの人形母と布製の代理母では、後者の方が猿の赤ちゃんの心にいい影響を与えるというショッキングな報告もあった。恐るべし、母の力ではある。
愛着障害があると、大きくなって、二つのグループに分かれる。回避型と過敏型(振り回し行動、天の邪鬼な反応)である。
最近、発達障害、うつ状態、境界例、行動障害、非行などにこの愛着障害が大いに絡んでいると言い出したのが岡田先生である。彼は、優秀な精神科医であるが、愛着障害がベースにあると、大きくなって、上記の種々の精神障害に発展すると警鐘をならしている。
特に、発達障害は大いに愛着障害が絡んでいるらしい。彼は、発達障害は決して遺伝だけが関与しているわけではない、大人の対応が大切で、発達障害も防げる可能性があると言ってくれている。発達障害(自閉症は昔から)は遺伝性などど言われているが、怪しいものだ。決め手は特にないのに、何でも遺伝性と言っておけば、大人(特に学校)は免責されるからだろうからか、最近こういう言い回しが目立つ。自閉症、発達障害の診断に器械を使った診断法あるいは採血等を使って診断を受けている人はいないだろう。医師の飽くまで主観的な診断法で診断され、医師が異なれば、別の診断を下すことはよくある。騙されないことだ。遺伝となれば、対策がないと言うことだ。色盲に薬はありません。
発達障害その他の心の問題には後天的な要素が大いにあり得る。大人の努力を放棄しないようにしよう。ただし、最近話題の児童虐待は逆の面を教えてくれます。親になって、子どもを何らかの理由で愛せない親、特に母親が増えつつあります。彼らへのサポートは喫緊です(急ぎます)。続きは次回に。

                                                                                                      14.1.2016
                                                                                                        文責 脇元 安 

愛着障害(2)
岡田先生の説をさらに詳しく説明しよう。

彼のケースで発達障害を疑われた男子で注意障害、多動、衝動性などを備え、誰が見ても発達障害の子だったが、病歴を詳しく取ると、2歳で兄が亡くなったが、母は兄が今も生きているかのように振る舞い(兄の食事をいつもそろえるなど)、その子は、兄を思い出しては泣いている母を見て大きくなっていった。
母はうつだったのだが、彼は、母から充分な世話・愛情を受けられず、結果、脳の発達に悪影響が生じ、一見発達障害に似た症状を小学校に上がってから見せるようになったのだと紹介している。
岡田先生でも初診ではそこらを見抜けず、発達障害と診断していた。後で、独特の親子関係がわかり、診断を愛着障害と変更されたという。
このケースから、彼は、生育史上の問題は、これまでは単に心理学的な問題として扱われることが多かったが、実はそれにとどまらず、むしろ生物学的、生理学的なレベルで影響を及ぼしていることが、近年の研究で明らかとなってきたという。
 例:母のうつ病が、子どもの世話が不足することによって、脳内の受容体や神経繊維、シナプスの発達に影響し、脳自体の構造を左右しうるという。
母の子への関心不足、ネグレクト、不安定な環境が、子どもの脳の発達に生理学的なレベルで影響しうるということである。
彼は上の事例より、症状だけで診断をおこなうことの危険性を述べている。卓見である。
心は超複雑であり、症状だけで診断するというDSM分類は気をつけないということだろう。
心の問題はデジタルだけでは診断できない。アナログ思考で直感を研ぎ澄まして診断するという姿勢が大切であろう。患者さんの背景を知ることが大切である。
                                 18.1.2016
                                  文責 脇元 安
愛着障害(2)
愛着障害については別記した。
      岡田尊司 「愛着障害」より
幼児期・少年・少女期に愛着に深刻な障害を受けた者は、愛着を全く
求めようとしなくなったり、見境なく誰にでも愛着したりするようになる。
愛着障害には、反応性愛着障害(A抑制性愛着障害、B脱抑制性愛着障害の二種がある)、不安定型愛着障害がある。
A:ごく幼い養育放棄や虐待を受けたケースに見られやすい。
 愛着回避の重度なものではASD(自閉症スペクトラム)と見分けがつきにくいことがある。
B:不安定な養育者からの気まぐれな虐待や、養育者の交代により、愛着不安が強まったケースにみられやすい。多動や衝動性が目立ち、ADHD(注意欠損多 動障害)と診断されることもある。

不安定型愛着障害:実の親に育てられた子どもでも3分の1に不安定方愛着があるという。成人の3分の1にこれがあるという。これらの成人は対人関  係で困難を感じやすかったり、不安やうつなどの精神的な問題を抱えやすくなるという。
以上より、愛着の問題が非常に多くの人に関係する問題ということがわかる。

愛着障害の特性
 親と確執をもつか過度に従順になりやすい
 信頼や愛情が維持されにくい
 相手とほどよい距離をとれない
 傷つきやすく、ネガチブな反応を起こしやすい。
 ストレスに脆く、うつや心身症になりやすい
 非機能的な怒りにとらわれやすい
 過去にとらわれたり、過剰反応しやすい
 全か無か になりやすい
 全体より部分にとらわれやすい
 意地っ張りで、こだわりやすい
 発達の問題を生じやすい 発達障害と誤診されることも
 自分を活かすことが下手
 キャリアの積み方も場当たり的
 依存しやすく、過食や万引きも
 青年期につまずきやすい
 子育てに困難を抱えやすい
 アイデンテテイの問題をもちやすい。
 反社会的行動を起こしやすい
 性的な問題を抱えやすい
 
治療
  従来型の治療は役にたたない
   精神分析はよくない
   認知療法も良くない 
   従来型の治療がうまくいかない時は愛着障害を疑うべき。
1 安全基地を持つ
    安定した愛情の持ち主に出会い、その人から変わらぬ関心と支えを受け続けることが大切。
  ①安全感を保証する
  ②感受性 共感性
  ③応答性
  ④安定性
  ⑤何でも話せる
        家族、友人、恋人、パートナー、教師、宗教指導者、カウンセラー
        本人、ネットなどが安全基地になりうる。
2 愛着の傷を修復する
    幼いころの不足を取り戻す
    あそび
    傷ついた体験を語り尽くす

3 過去との和解
4 役割と責任を持つ
   社会的、職業的役割の重要性
   否定的認知を脱する。
   人を育てる
   アイデンテテイの獲得と自立
以上、治療を羅列したが、細かい説明は後日に。

                         平成29年11月18日
                         文責 脇元 安