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2017/07/13
2017/03/10

ドクタ-美根の過敏性腸症候群治療教室

2015年12月28日 月曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群教室

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
2015年12月28日 月曜日
第18回
【過敏性腸症候群ガス型とは?  その2】
日本人に過敏性腸症候群ガス型の人が多いのは、「人前でオナラをするのはとても恥ずかしいこと」とされる日本の文化、風俗が関係しているのかもしれません。日本文化は「恥じの文化」ともいわれていますが、日本は「恥をかかない」ことがとても重要視される社会です。過敏性腸症候群ガス型の方の心の中は「オナラをして恥をかきたくない」という気持ちで一杯であり、羞恥心との闘いの連続でしょう。「人に不快な思いをさせたくない」という気持ちが強い方もおられます。子供同士のなかでは、オナラをすると、からかいやいじめの対象になることさえあり、それは本人にとって大きなトラウマ体験になります。このような背景から、衆人の中でオナラをしてしまうことにはかなりの不安や緊張が伴います。
しかしながら、すべての人間はオナラをしながら生きています。
人間の腸管内には腸内細菌が常在しています。そして腸内細菌は腸の働きを正常に保つために一定の役割を果たしていることが分かっています。腸管ガスはこの腸内細菌の活動により発生するものです。そして腸内細菌叢の変化は腸の機能に影響を与えることや、ストレスが腸内細菌叢に大きな影響を与えることも次第に明らかになってきました。過敏性腸症候群と診断された人の腸管では腸内細菌の状態が変化していることを示唆する報告もあります。
ストレス等による腸内細菌叢の変化が、腸管ガス発生に影響を及ぼすだろうということは論理的には推定できますが、過敏性腸症候群の患者さんにおいて、本当に腸管ガスの発生が増加しているのかどうかについては、まだ実証されていないのが現状です。強い腹部膨満感の出現には腸管ガスの存在だけではなく、腸管における内臓知覚の感受性が強くなっていることも大きく関与しています。放屁症状の出現には、やはり腸管の運動機能異常が最も大きく関与しているものと私は考えています。
先に述べたように強い心理的ストレスにより小腸、大腸に運動機能異常が生じます。過敏性腸症候群の他のタイプと同様に、ガス型においても様々なストレス、心身の疲労で症状は悪化します。発症のきっかもそれぞれの方で異なります。しかしながら、ガス型の方について共通して言えることは「他の人がいるところでオナラをしてしまうのではないか、他の人にオナラをしたことを気付かれるのではないか」という不安感や恐怖感そのものが、日常的に強いストレスとなっているということです。
次回は過敏性腸症候群ガス型の治療についてお話しします。
(文責 美根和典)


投稿者 脇元クリニック

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