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2018/05/31

◆お知らせ◆

院長学会出張のため6月8日は休診、
6月22日、23日は代診の先生となっております。

2017/07/13
2017/03/25

◆お知らせ◆
平成29年5月第2週より

毎週 木曜日午前(10時~13時)
児童専門外来を開設いたします。
不登校、発達関連、引きこもり、不安障害、チック等の相談に応じます。

同日 午後14時半~18時
新患および再来(児童から大人)の診察、精神衛生相談(本人以外のご家族からのご相談)を行います。

当院は予約制ですので電話で予約してご来院ください。
☏092-751-0010

ドクタ-美根の過敏性腸症候群治療教室

2015年9月 9日 水曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群教室

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
2015年9月 9日 水曜日
第16回
なぜ、過敏性腸症候群の治療において抗うつ薬が重要な役割を果たすのでしょうか?

多くの過敏性腸症候群の方が、同時にうつ病も併発しているということはありません。しかし、逆に、うつ病の方が過敏性腸症候群の症状(腹痛、下痢など)を呈していることはしばしばあります。このような方においては、うつ病が治療により改善すると過敏性腸症候群の症状も消失します。
それでは、なぜ、過敏性腸症候群の方は、うつ病ではないにもかかわらずその治療において抗うつ薬が重要な役割を果たすのでしょうか?

過敏性腸症候群で悩んでおり、発症のきっかけは現実的なストレスが存在していたけれども現在は特に現実的なストレスがあるわけではないのに何故症状が続くのだろうかと言う方もおられます。
過敏性腸症候群の方は腹痛や下痢などが突然の出現するために、いつも不安が続き、日常生活や行動が制限されてしまい苦しんでいます。そして、そのような生活の日々そのものがとてもストレスフルなものになっています。このような症状のために日常生活や社会生活で大きな失敗が続けば、さらに大きなストレス状態が続くこととなり精神的にもかなり疲労してきます。もちろん現実的なストレスが続いていればさらに精神的な疲労状態になります。
「抗うつ薬」が過敏性腸症候群に対して効果を示すのは、以下の機序によるものと私は考えています。
① 精神的疲労、脳の疲労を回復させる。
脳の海馬では成人後でも常に新しい神経ができており(神経新生といいます)、この新しい神経の成長がストレスによる脳の疲労回復に重要な役割を果たすことが分かってきています。抗うつ薬は、セロトニン神経系に作用することにより、新しい神経が成長するための栄養物質(脳由来神経栄養因子:BDNFといいます)を増やすことにより脳疲労を回復させることが分かってきました。
脳(特にストレスが関与する脳...視床下部、扁桃体、海馬)の疲れが回復す
ると、その結果として自律神経系や内分泌系の安定を取り戻し、腸管の運動、感覚が正常化していきます。
② 慢性の痛みを改善する。
抗うつ薬は痛みを和らげる作用がありペインクリニックでもよく使われます。
③ 強い不安を和らげる(抗うつ薬の多くは不安障害の優れた治療薬です)。
過敏性腸症候群の症状は不安で悪化します。時にはパニック状態になります。
抗うつ薬は不安障害、パニック障害の治療薬です。
④ 腸管機能に直接働いて正常化させる可能性がある
過敏性腸症候群では腸管粘膜、腸管平滑筋、腸の運動・分泌をコントロールする局所の神経系、消化管ホルモン系にも異常があると考えられていますが、いまだその詳細なメカニズムは分かっていません。私は抗うつ薬は、この腸管レベルの調節機序にも直接作用して腸の働きを正常化させるのではないかと推定しています。
(文責 美根和典)


投稿者 脇元クリニック