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ドクタ-美根の過敏性腸症候群治療教室

2015年4月 8日 水曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群教室

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
平成27年4月8日
第15回
過敏性腸症候群治療で抗うつ薬を使用する場合の注意点その2

抗うつ薬はかなり安全性が高い薬です。また、多くの方が心配される依存性が生じることはありません。しかしながら誤った使い方をすると、しばしば強い副作用や中断症状が出ます。近年、抗うつ薬の副作用や中断症状について、いろいろな報道がなされたことがあって、抗うつ薬服用に不安を感じる方が増えています。
旧い世代の抗うつ薬である三環系抗うつ薬が主に使われていた時代には、その特徴的な副作用のために、多くの臨床医にとって抗うつ薬を使うのは稀なことでした。しかしながら三環系抗うつ薬は優れた効果を示すので、適応がある方にはかなり慎重に使われていました。
副作用について
10~20年ほど前から、セロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)が「副作用が少ない使いやすい抗うつ薬である!」との宣伝のもとに日本にも登場しました。そのために多くの医師が「副作用がない薬である」と勘違いして、かなり安易にセロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)の投与をするようになりました。しばらくしてセロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)の副作用、中断作用が問題となりマスコミなどもしばしば取り上げるようになってきました。私たちが実際に使い始めてみると「セロトニン選択的再取り込み阻害薬SSRIは"副作用が少ない薬"ではなくて、三環系抗うつ薬とは全く違うタイプの副作用を示す薬であるということが分かってきました。
セロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)は、丁寧に適切に使われたら優れた効果を発揮する薬であり、安全性も高い薬です。しかしながら、やはり、細心の注意を払って使わないとしばしば強い副作用が表れます。その多くは使用初期にみられ、約30%の方において不眠や不安症状そのものが強くなり、吐き気や食欲不振が出現して、その結果として、患者さんは本来の病状自体が悪化したと錯覚します。副作用症状が弱いものであれば数日以内に消失します。副作用症状がかなり強い場合は、無理に耐える必要はないので服用を中止します。これらの副作用は嘔吐中枢が刺激されるために生ずるものであり、胃などに対する内臓障害に基づくものではないので、服薬を中止すればすぐに症状は消失し、のちの健康に影響することはありません。
中断作用について
治療に必要な用量(有効量)の抗うつ薬をのんでいる時に、急にその服用を中止すると、中断症状が現れます。独特のめまい感、強い不安感、不眠、吐き気などが出現します。三環系抗うつ薬、セロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)いずれを服用している場合も約30~40%の方において出現します。これらの症状は薬物依存との関係はなく、いわゆる禁断症状とは異なるもの「中断症状」と呼ばれます。すべての抗うつ薬はゆっくりと減らしながら最小用量にしていき、その後に最終的に服用終了とする薬です。
十分な効果が期待できる用量、病状に見合った服用量が必要となりますが、それを決めるに際しては、経験と知識が必要になります。
そして服用を終了すると体内から消失し、体内への蓄積は起こりません。

次回は、なぜ、過敏性腸症候群の治療に抗うつ薬が重要な役割を果たすのかお話ししたいと思います。
(文責:美根 和典)


投稿者 脇元クリニック

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