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2018/04/12

◆お知らせ◆

ゴールデンウィークの休診日は
5月2日、3日、4日、5日、6日となっております。
5月1日及び5月7日は通常診療です。

2017/11/18

◆お知らせ◆

12月16日(土)より毎月第3土曜日は16時までの
診療となります。
14時からは特に初めての方を中心に診療を行いますので
ご利用ください。

2017/07/13

ドクタ-美根の過敏性腸症候群治療教室

2014年10月16日 木曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群教室

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
平成26年10月15 日
第12回
過敏性腸症候群の方の多くは身体症状に由来する強い不安を抱えておられます。不安感は腸管運動の異常やそれに基づく腹部症状、便通異常をさらに悪化させます。また不安、緊張は腸管に由来する痛みへの感受性をさらに強くします。過敏性腸症候群における不安は精神医学における不安障害とは性質が異なります。
では薬物を用いて過敏性腸症候群の不安をコントロールすることはできるのでしょうか?
過敏性腸症候群の方の不安をコントロールするには、身体症状をコントロールすることが最も近道です。しかしながら抗不安薬を用いて過度に強い不安を和らげることは可能であり、その結果、身体症状の改善も得られます。過敏性腸症候群の治療をする上ではとても重要な薬物になります。

1. 非ベンゾジアゼピン系抗不安薬(セロトニン1A受容体部分アゴニスト)
・タンドスピロン(商品 セディール)
日本で使えるただ一つの非ベンゾジアゼピン系抗不安薬です。
過敏性腸症候群の方の治療にはとても有益な薬物です。継続して服用すれば明確に不安を和らげる作用があります。そして眠気やフラツキなどの副作用もかなり少ない薬です。最も重要な利点は依存性がないということです。医師からみると確実な効果がある薬ですが、ベンゾジアゼピン系抗不安薬をのんだ経験がある方は「効き目が実感できない」と言われる方が多く、自分で中止してしまう例も出てきます。

2. ベンゾジアゼピン系抗不安薬
速効性であり確実な効果を示します。上手に使えばとても役に立つ薬です。
しかしながら実際の使用に際しては、かなりの慎重さを要する薬です。

パニックを起こすほど不安が強い方にはアルプラゾラム(商品ソラナックス、コンスタン、カームダン)を使います。1日計1.2㎎(0.4mg錠を1日3錠)以内の服用量なら大きな問題は生じません。抗不安作用が最も強いベンゾジアゼピン系薬物ですが、1日2㎎以上をのむと依存性が生じることがしばしばあるので実際には1日1.6㎎(0.4mg錠を1日4錠)までしか用いません。
アルプラゾラムに近い薬物としてロラゼパム(商品 ワイパックス)、ブロマゼパム(商品 レキソタン)もよく使われます。
ロフラゼプ酸(商品メイラックス)も上記薬物と同じくらいの効果があり1日1回の服用ですむ抗不安薬です。
他によく用いるベンゾジアゼピン系抗不安薬としてはエチゾラム(商品 デパス)、クロチアゼパム(商品 リーゼ)、ジアゼパム(商品 セルシン)などがありますが、本質的には同じ性質の薬なので、これらを一括してベンゾジアゼピン系抗不安薬と呼びます。
これらのベンゾジアゼピン系抗不安薬には病気そのものを治癒させる効果はなく、あくまでも対症的に不安を和らげるものです。不安な状況を乗り切るために頓服的に服用するのが最も理想的な使い方です。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は確実な効果がある優れた薬ですが、服用に際してはかなりの慎重さが必要で、上手に用いなければなりません。
眠気、ふらつきなどの副作用があり、お年寄りでは転倒に注意が必要です。比較的多い量を服用中に急に服用をやめると禁断症状(不眠、不安、イライラ感、ひどい場合はけいれん)が出ます。多量服用を続けると薬物依存も起こります。

次回は過敏性腸症候群の治療に用いる抗うつ薬についてお話しします。
(文責 美根和典)


投稿者 脇元クリニック