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ドクタ-美根の過敏性腸症候群治療教室

2014年6月11日 水曜日

ドクター美根の過敏性腸症候群教室

ドクター美根の過敏性腸症候群治療教室(美根:元九州大学大学院教授、元福岡大学教授)
平成26年6月11日
第5回
(過敏性腸症候群はどのようにして診断するのか?)

先に述べた特徴的な症状があり、腹部の診察で特有の所見を認めたら過敏性腸症候群を積極的に疑います。
ただし、主治医としては以下のようなことを常に頭において診療しています。
・過敏性腸症候群では便に血液が混ざることはありません。この病気のために便に血が混じる(血便)、排便時に出血する(下血といいます)ということはありません。
・一般的な血液検査で異常を認めることはありません。
もし血液検査で貧血(ヘモグロビン値の低下)や炎症所見(CRPが陽性、高値を示す)を認めるときは炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)や腫瘍を疑わねばなりません(過敏性腸症候群で低蛋白血症・低アルブミン血症や低カリウム血症をきたすこともありません)。そして内視鏡検査で大腸、小腸の炎症や腫瘍ではないことを確かめます。過敏性腸症候群の方は、腸管の内視鏡検査(一般的な内視鏡では大腸全体と小腸の末端部が観察できます)では症状を説明できるような病変を認めません。
・先に述べたような過敏性腸症候群に特有な症状で苦悩しておられる方で、血便や下血がなく、血液検査で貧血や炎症所見がなければ必ずしも内視鏡検査を受ける必要はありません。まず過敏性腸症候群としての治療を考えます。ただし、治療への反応性や経過から、あらためて内視鏡検査の実施を考える場合もあります。
・腹部の診察(理学所見と言います)
過敏性腸症候群を診断するにあたって腹部の診察所見はとても参考になります。打診をすると腹部のある領域で、ポン、ポンという音がして腸管にガスが偏って溜まっていることがよく分かります。聴診器を当てると、"腸雑音"を通して腸が活発に動いていることが分かります。腹部のある領域を抑えると過敏性腸この圧痛所見を通して、腸管が痛みの発生源であること、痛みへの感受性が高まっていることが診察医だけはなく、診察を受ける方にも理解できます。

以上を簡単にまとめると
「腹痛あるいは腹部不快感という腹部症状と下痢・便秘などの便通異常という症状でとても苦しんでいる。そして日常生活、社会生活に何らかの支障が出ている状態」で、この状態を説明できる器質的異常が認められず、小腸・大腸の機能異常(「機能異常」については後で説明します)により症状が出現していると考えられる場合、過敏性腸症候群と積極的に診断します。

(参考) 
診断基準:世界中に過敏性腸症候群について研究している医師や研究者がいます。それで過敏性腸症候群の客観的評価を行うために、過敏性腸症候群について世界共通の定義が必要となりました。それでローマ基準という診断基準ができています。これまで何度も見直しがされて、今はローマ基準Ⅲというものになっています。一般の方はこれにとらわれる必要はありません。参考までに以下に示しますが、おそらく、一読しても何のことやらピンとこないものだと思います。
ローマ基準Ⅲ
次の(1)および(2)の症状が3カ月以上存在する場合に、この基準を満たす過敏性腸症候群と判定します。 (1)排便によって軽快する腹痛もしくは腹部不快感、または排便回数もしくは便の硬さの変化を伴う腹痛もしくは腹部不快感 (2)次の症状の2つ以上を伴う排便障害......排便回数の異常、便性状の異常、便排出異常、粘液の排出、鼓腸(こちょう)または膨満感


投稿者 脇元クリニック